古い価値観を壊して新しいカルチャーを作っていくのは、いつの時代も若者だ。それは、大人たちが意図して作れるものではなく、彼・彼女たち自身の意思によって生み出されていく。
世界中で盛り上がりを見せるフットボールカルチャー。東京にも様々なコミュニティが生まれ、日本のサッカー界に新たな風を起こしている。中でも、今回紹介する92F.C.とJsnapsは、これからの日本のフットボールカルチャーを担っていく存在だ。
物心がついた頃には、日本にプロサッカーリーグがあるのが当たり前になり、ワールドカップ出場も夢ではなくなったこの若い世代にとって、今のフットボールカルチャーはどう映っているのだろうか。
92F.C.は、現在アルゼンチンを拠点に活動するサッカー指導者の河内一馬を中心に活動するコミュニティ。メンバーは全員1992年生まれで、日本のサッカー界では「プラチナ世代」と呼ばれている。
メンバーはアーティストやクリエイターが多く、ユニフォームを使ったストリートスナップやプランドのコラボレーションなど、独自の視点でフットボールカルチャーを表現している。
Jsnapsは、92F.C.のメンバーよりもさらに若く、中心人物の田代楽はJリーグが開幕して数年後に生まれている。
主な活動はユニフォームのスナップだが、特徴的なのはモデルが着用するユニフォームはすべてJリーグという点だ。Jリーグとともに育ってきたメンバーにとって、それは自然な成り行きなのかもしれない。
世界から見ても日本のフットボールカルチャー一つとして知られているのが部活。埼玉県の強豪校として知られる昌平高校のサッカー部でプレーする小見洋太は、2年生の時からレギュラーをつかみ、U-18日本代表にも選ばれた期待の選手だ。
海外でプレーする日本人選手が増える中、彼のような選手が今度どのようなキャリアを歩んでいくのか要注目だ。
サッカーの楽しみ方は人それぞれ。自由な発想を最大限に活かしながら、彼・彼女たちがピッチの内外で日本のフットボールカルチャーがこれからどう進化していくのか、非常に楽しみだ。
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Text by Takashi Ogami
Photography by Ryo Mitamura (92 F.C. / Jsnaps) , Kisshomaru Shimamura (昌平高校)