連日熱戦が展開され、いよいよ佳境にさしかかってきた「UEFA EURO 2016」。前回王者のスペインが破れ、優勝の行方はますますわからなくなってきた。現在世界でもっともフットボールファンの注目を集めている大会だが、その中でも特に目が離せないプレーヤーがいる。開催国であるフランス代表の中心選手で、次世代のアイコニックプレーヤーへ上り詰めようとしているポール・ポグバだ。その彼を写真界のコンテンポラリー・レジェンドであるドイツ人写真家のユルゲン・テラーが撮影した。

　テラーは世界有数のファッションフォトグラファーとして知られている。と同時に、バイエルン・ミュンヘンやドイツ代表のサポーターで熱狂的なフットボールファンだ。2002年FIFAワールドカップの決勝を観戦する自身のポートレートを撮影した『Nacking auf dem Fußballplatz』、2014年FIFAブラジルワールドカップでも、決勝戦を家族たちと観戦し、歓喜にわいている様子を撮影した『Siegerflieger』の二つの写真集を始め、これまでにフットボールにまつわる作品を数多く発表している。

　この撮影ではテラーがポグバに密着し、ポグバの兄弟やテラーの息子と写った姿を始め、フィールド上では見せない彼の表情を捉えている。彼らによるコラボレーションは、アート・ファッションとスポーツというジャンルの垣根を軽々と飛び越え、観るものを魅了していく。